プロ腕前は、縫い方以前に織物の地直し技術にあります。裁断や縫製する前、数時間かけて着用後も狂いが生じないよう入念に織目を正(整形)しています。海外縫製では真似のできない繊細で緻密な作業です。
プロの和裁士は、さらに手間を惜しみません。織目の変わった不要な部分を1寸残して断ちますが、そのとき、以下の図のように切り取ります。両端は三角定規を下向きにしたように切りますが、半分に折る中央部分は二等辺三角形のような凸状にします。
それは、折り返した重複部分が薄くなるように仕立てるためです。また、手先の先端部分がふくらみ、しわになるのを防ぐだけではなく、結ぶ時、手さばきの良いなめらかな感触が得られるからにほかなりません。
半返し:ひと針の3倍の縫い幅で進み、ひと幅折り返して、また、縫い進む。三歩進んで一歩下がる。